テキストデータ処理

8. テキストデータ処理#

ゲノム情報は、A、C、G、T の 4 種類の文字からなる、非常に長い文字列として記述されています。こうしたデータを扱うためには、文字列操作に関する基本的な知識と、効率的な処理の技術が欠かせません。さらに、ゲノムをはじめとする生物学的なデータは、FASTA、GFF3、GTF、mmCIF など、内容に応じた多様なテキストファイル形式で提供されます。それぞれに特有の構造や記述ルールがあり、必要な情報を正しく読み取って、解析に使える形に整えるには、フォーマットの理解と柔軟なプログラム処理のスキルが求められます。

本章では Python を使って、生物学データの読み込み、加工、情報抽出といった基本的な処理方法を解説します。ゲノム解析やバイオインフォマティクスに関心のある方にとって、これらは必ず身につけておきたい基礎技術です。とはいえ、正直に言うと、やってることは「for で 1 行ずつ読んで、if で条件分岐する」という、地味すぎる作業の連続です。でもその地味なコードが、地味に世界を支えてます。最先端とか言ってるけど、中身はほぼ根性です。